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真夏の照り付ける太陽の光が窓から攻撃してくる。
エアコンが起動している筈なのに窓際まで届かない。
ただでさえ機嫌が悪い今の授業は化学。
理系に進んだ俺、藤野雅人からすれば楽しい授業なのだ。気に入らないのは教師。
切れ長の目に、透き通ったブラウンの瞳。
風に靡く、柔らかな黒髪。
銀フレームの眼鏡を持ち上げる細く骨張った綺麗な指。
教師の中でも、ずば抜けて高い身長。
完璧な容姿を持つ男。それが雅人の大嫌いな教師。高野哲なのであった。
しかし、自然と内容が頭に入り、他の教科よりもノートが美しく仕上がっている。
高野哲の教え方が上手いだけだ、と自分に暗示をかける。
でも、それはそれで高野哲を褒めてるような気分になる。
くるくるとシャープペンシルを回しながら、そんな事を思い、ぼんやりと前を見ていた。
「今日はここまでだ。復習、きちんとしとけよ」
高野の声に被るチャイムの音。雅人は無意識にチャイムの音に対して眉間に皺を寄せた。
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