プロローグ

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「ちぇっ。でも、やっぱりシュンって面倒見がいいよなあ。俺じゃなくてシュンの方が生徒会長らしいや」 「確かに、ワイシャツを第二まで開襟して、赤いメッシュを入れてる目つきの悪い生徒会長様は、滅多に居ないだろうな」 意地の悪い顔をして、雅人のおでこをデコピンする。 「イテッ!う、うるせーなっ!暑いじゃんかよ、第二まで留めたら」 「冬も開襟してるじゃねーか」 「そ、それはそれ。これはこれ!」 「全く。少しくらいは服装を正せよ雅人」 くしゃ、と頭を撫でられ、柔らかい笑顔を見せられる。 ―こういう時だけ名前で呼ぶ… 最近、シュンが急に大人っぽくなったみたいで、なんだか寂しい。さっきだって、頭とか撫でるし。なんっつーか…手慣れてるっつーか…手慣れてる!?そうか、シュンも高二だもんな。彼女の一人や二人くらい居ても…
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