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~MISSION 2 バージルとモデウス~
青の男「いつまで隠れている気だ?」
青い貴族風の服装で銀髪を逆立てた男は物影に隠れた者に問い掛けた。
黒の男「さすがですね。気配は消していたのですが」
物影から黒いコートを着た黒い長髪の若い男が現れた。
青の男「貴様何者だ?」
黒の男「私の名前はモデウス。かつて兄とともにスパーダに弟子入りしていた者です。はじめまして、スパーダのご子息の一人、バージル。」
バージル「スパーダの弟子だと?俺がそんな事を信じるとでも?」
モデウス「そうですね。証明したくてもスパーダ亡き今、信じてもらえたのはダンテだけですから」
バージル「貴様、ダンテと面識があるのか?」
モデウス「ええ。彼と闘いましたが私も、私の兄も敗れました」
バージル「それでダンテにもう一度再戦をか?」
モデウス「いえ、私には彼と闘う理由はおろか、剣を持つ意味すらありませんから」
バージル「変わった奴だ。スパーダの弟子ならより強い力を求めてもよかろう」
モデウス「私は兄、バアルと共に修業してきました。しかしスパーダは兄ではなく、この私を後継者として選びました。私は兄を選んでほしかった…」
バージル「それでバアルという兄の為に剣を捨てるか…くだらん情けだ」
モデウス「あなたに兄の何がわかるのですか?」
バージル「わかっていないのはモデウス、貴様の方だ。貴様が剣を捨てて何になる?バアルとやらの剣士としての誇りを傷つけたのはスパーダではない。他ならぬ貴様ではないか!」
バージルの剣幕にモデウスは言葉を詰まらせた。いや、正確にはバージルが言った言葉に対してだ。自分でもわかっていたが知りたくなかった、気付きたくなかった。自分の行動が兄、バアルのプライドを傷つけている事に。
モデウス「………そうですね。私が剣を捨てた事で兄は代わりにスパーダの力を得ようとダンテに挑み、命を落とした…」
バージル「いずれにせよ、復活したバアルとやらはダンテに再び挑むつもりだ。もちろんオレもだが。そうなった時、貴様はどうする?」
モデウス「私は…兄と向き合います!兄を、そしてバージル、あなたを止める!」
バージル「フン…ようやく自分の存在意義がわかったか(仮にも親父が後継者に選んだ程の男だ、どれほどの力か一戦交えたいところだが)…ん?」
突然、辺りが暗くなり雷鳴が轟きだした。
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