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モデウス「私はここで倒れるわけにはいきませんので本気で相手をさせていただきます」
ボルヴェルク「………」
ボルヴェルクは無言でフレキとゲリに何かを命じた。どうやらモデウスとは一対一で闘いたいようだ。主の命を聞き、フレキとゲリはまた何処かへ消えた。
モデウス「いざ…」
ボルヴェルク「!!」
先に斬り込んだのはボルヴェルクの方だ。槍のような長さの剣を軽々と振り回し、強力な突きを放った。モデウスはそれを横に転がってかわす。ボルヴェルクはすかさず横薙ぎ払いを繰り出した。モデウスはしゃがんでかわす。さらにボルヴェルクは往復する形で今度は反対方向に薙ぎ払ったが、モデウスは最低限のジャンプでかわした。ボルヴェルクは両手で剣を持ち、上から両断する。モデウスは辛くも横っ飛びで回避した。剣が叩きつけられた床石は砕け、えぐられていた。予想以上に素早い攻撃をしかけてくるボルヴェルク。
モデウス「流石はスパーダに挑む程の悪魔…強敵ですね」
ボルヴェルクは再び剣を構え、モデウスに向かってきた。モデウスが身構える…ところが、ボルヴェルクは黒い炎に包まれたと思いきや、一瞬にして姿を消した。
モデウス「なっ!?空間移動まで…どこから来る…」
次の瞬間、ボルヴェルクはモデウスの背後に現れ、下から剣を振り上げる。モデウスは剣で受け止めたが、あまりの衝撃に剣は弾き飛ばされてしまった。
モデウス「しまっ…」
ボルヴェルクはすかさず上から剣を振り下ろす。
モデウス「くっ…」
モデウスは横に身を投げ出す形で何とか攻撃を避ける事が出来た。しかし、剣はモデウスとは反対側、ボルヴェルクの背後に突き立てられていた。
モデウス「…仕方ありませんね。借り物なのであまり使いたくはなかったのですが…」
モデウスの右手と地面の間にバチバチと青い電撃がほとばしり、床からもう一本剣が現れた。それはダンテがかつてマレット島で手に入れた魔具、使用する者にスピードと飛翔の力を与える稲妻の剣「アラストル」であった。冥界に行く前にダンテに無理矢理持たされたのだが、おそらくダンテは今回の事件が壮絶な闘いになると予測していたのだろう。モデウスはアラストルを構えた。
モデウス「お待たせしました。今度はこちらからいきます」
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