香月

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「母上?」  孫紹は母が太陽に消える錯覚をおぼえた。  けれどそれはみまちがえだったのだろう。暖かい笑みをくれる。 「なあに、紹?」 「ううん、なんでもない」  微笑みを返す。不安を押し込んで。  微笑んでいてくれる、それだけで――孫紹は嬉しかった。                         ――終演
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