絶望的な出会い。

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「く…このままではジジイになって死んでしまう…」 彼は戸棚から「桃色生命体の存在証明」と書かれた本を取り出す。 市販品ではない。宇宙生命体学の権威である祖父が書いたものだ。 「桃色生命体は存在する」の項目には木星の大気の中で生きる事の出来るにゅんにゅんについて詳しく説明してある。 「にゅんにゅんとは…地球の言葉で言えばムチムチプリプリの地球の女性に似ている誠に有り難い…素晴らしい生命体である。」 なんだか電波の来た人の文章みたいだがさらに話は続く。 「木星にてにゅんにゅんを発見した私の生活は激変した…老いていた体は生気を取り戻し、知能指数は160にまで上昇。数々の研究成果を残せたのはにゅんにゅんのおかげである。」 「しかし…にゅんにゅんは木星以外では生きられない。地球型の大気にも順応出来るのだが木星を離れると消滅してしまう…その理由は解明出来なかった…」 文章は一度ここで途切れる。次のページにはにゅんにゅんの写真が貼ってある
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