15人が本棚に入れています
本棚に追加
「まぁ、指は10本あるんだし1本くらいどうってことないよ」
「やった本人が言うことかそれ?だいたいお前はいつも「誠ー!!」
勢いよくクラスのドアを開け、幼なじみこと栞が元気よくオレの名前を叫んで入室する。
これ絶対叫んでる本人よりオレのほうが恥ずかしいよね?
「誠!今日の放課後の予定空いてる?」
オレの元へとやってきて発してきた言葉は放課後のお誘いだった。
もちろん、返事は1つ。
「ヒマをエンジョイするから空いてない」
「じゃあ放課後行く場所があるから付き合ってね?」
アレ?この子人の話しをちゃんと聞いてる?
もう一度断ろうとしたら、チャイムが鳴り担任が入ってきてタイミングを逃してしまった。
あー、めんどくさいなー。
啓太?
あぁ、あいつなら机にえんぴつで『の』字をひたすら書いていた。
人にゴキブリと同じ感情って持てるんだな。
「えー、最近物騒なことが起きているんで気をつけるように」
そんな、業務事項を伝え終え担任は教室から退室していった。
あー、退屈な授業の始まりだ。
なにか面白いこと起きればいいのに。
例えば、啓太が突然爆発するとか、窓から落ちるとか、うーむ、考え出したら終わりがないな。
人間の想像力すげー。
このまま、啓太に災いが降りかかればいいのに。
「はっ!何やらオレのことをだれかウワサしてるな!!」
そして、違う形でオレの思いは伝わったみたいだ。
最初のコメントを投稿しよう!