魔王が美人だったら萌えるけどイケメンだったら燃やしたくなる

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「まぁ、指は10本あるんだし1本くらいどうってことないよ」 「やった本人が言うことかそれ?だいたいお前はいつも「誠ー!!」 勢いよくクラスのドアを開け、幼なじみこと栞が元気よくオレの名前を叫んで入室する。 これ絶対叫んでる本人よりオレのほうが恥ずかしいよね? 「誠!今日の放課後の予定空いてる?」 オレの元へとやってきて発してきた言葉は放課後のお誘いだった。 もちろん、返事は1つ。 「ヒマをエンジョイするから空いてない」 「じゃあ放課後行く場所があるから付き合ってね?」 アレ?この子人の話しをちゃんと聞いてる? もう一度断ろうとしたら、チャイムが鳴り担任が入ってきてタイミングを逃してしまった。 あー、めんどくさいなー。 啓太? あぁ、あいつなら机にえんぴつで『の』字をひたすら書いていた。 人にゴキブリと同じ感情って持てるんだな。 「えー、最近物騒なことが起きているんで気をつけるように」 そんな、業務事項を伝え終え担任は教室から退室していった。 あー、退屈な授業の始まりだ。 なにか面白いこと起きればいいのに。 例えば、啓太が突然爆発するとか、窓から落ちるとか、うーむ、考え出したら終わりがないな。 人間の想像力すげー。 このまま、啓太に災いが降りかかればいいのに。 「はっ!何やらオレのことをだれかウワサしてるな!!」 そして、違う形でオレの思いは伝わったみたいだ。
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