むかしむかし…

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『天上にはね、神様が住んでいるの。でも神様は面倒臭がりな方で』 「面倒臭がり?」 『そう。世界を廻すことを面倒臭いと思っていたの』 「世界をまわすの?」 『そうよ。それが神様のお仕事なのよ』 「なんでまわすの? まわさないとどうなるの?」 『世界を廻さないと、いつまでも朝がこない。 いつまでも夜がこない。 いつまでも雨が止まない。 いつまでも晴れのまま』 「僕、雨はきらい!でも、ずっと晴れならいいよ!」 『でもね、ずっと雨が降らないと、あなたの好きな苺が育たなくなるのよ』 「食べられないの?」 『ええ、そうよ』 「やだ!世界が廻らなきゃこまっちゃう!」 『そうね。でもね、神様はそのお仕事が面倒臭くてたまらなくなるの。そこで、オオカミとタカを創ったのよ』 「オオカミ?タカ?」 『オオカミは誰よりも足が速く、追いつける者なんていない。 タカは何よりも空高く飛び、何者も捕まえることはできない』 「すごーい!」
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