むかしむかし…

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『地上の王者に、空の覇者。 神様はそんな2つの存在を創りあげた』 「それで、どうしたの?」 『2つの存在に、競争をさせたのよ』 「きょうそう?」 『オオカミが走るだけで大地が揺れ、タカが飛ぶだけで天空が震えた。 その2つの力を受けて、世界が廻りだした』 「神様じゃなくても廻せるの?」 『ええ。 そのために、オオカミとタカは創られたのよ。世界を神様に変わって廻すために』 「今もオオカミ走ってるの? 今もタカは飛んでるの?」 『ええ。 その証拠に、いま夜がきて、あなたが目を覚ます時には朝になっているわ。 おやすみ、ぼうや。いい夢を。 オオカミとタカが、あなたに素晴らしい明日を運んでくれるわ』 「うん。おやすみなさい。お母さん」
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