訪れる災厄

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 アレックスが現在居るのは、南館最上階の四階、一番東側の教室。 不審者は教室のすぐ横にある階段を上り続け、現在は既に三階まで来ていた。  アレックスは教室前の廊下を西向、つまり不審者が来る方角とは反対に向けて走り出す。  昼食の休憩時間のため、廊下には多くの生徒の姿が見えた。 非常校内放送のことも相俟って尚更である。  先ずたどり着かなくてはいけないのは中央階段。 中央階段には、三階へ下りる道はもちろん、屋上への階段、北館への連絡通路もある。  そこに目掛け、人とぶつかりながらも全力で走る。  様々な疑問が頭を過ぎる。  なぜアレックスがここに居ることが知られている? なぜ学校から配信されたソフトが、俺が標的だと知っている? 不審者は、俺の位置を同じような方法で追尾しているのか?  沸き上がる疑問はとどまることは無い。  しかし、今最も知らなければいけないのは、この状況を脱出する方法である。
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