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「キャァァァァァーー!!」
走るアレックスの背後から、女子生徒の悲鳴が響く。
同時に、辺りに騒然とした気配が広がった。
(くそっ!)
誰かを巻き込んでしまったのかと、一瞬脳裏を過ぎる。
そういえば、先程まで大声を上げていた教師が沈黙している。
教師をどうやって沈黙させたかは分からないが、少なくとも銃声はしなかった。
つまり、距離さえ開けてしまえば、アレックスに危害を加えることは出来ないはず。
アレックス自信も、逃げ回るのは不本意ではある。
そうすることにより、他の者を巻き添えにする可能性が出てくるから。
しかし、なんの変哲もない高校生の彼が、何か「物騒な物」を持った大馬鹿野郎と、まともにやり合うことなど出来ない。
(いったいいつまで奴らから逃げ惑わなければいけないんだよ!)
悔しさと絶望感で、アレックスの目の奥に熱い物が込み上げてくる。
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