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中央階段にたどり着く直前、アレックスはハンディーデバイスを横目で確認する。
アレックスと不審者との距離は僅かに開いた気がする。
(どっちへ向かえばいい……!?)
先ず、屋上は駄目である。
他人を巻き込む可能性は最も少ないが、アレックス自身の逃げ場が亡くなる。
このまま西階段へ向かうのも、不審者との視線が通ったままなのでそれも避けたい。
(よしっ……!)
アレックスは意を決し、校舎の北館に続く渡り廊下を駆け抜けた。
北館には、職員室と警備室がある。
助けが現れる可能性は、北館にいた方が高い。
それに、これで不審者からアレックスを直接確認出来なくなった。
予め不審者がアレックスが居る教室を知って、そこへ向かっているだけだったら、これで取り敢えずは巻いたことになる。
後はアレックスの現在地を、何かで追尾されていなければ、この場は逃げ切れるはずだ。
しかし……
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