訪れる災厄

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「次はなんだよ!」  毒を吐きながら、ハンディーデバイスに目を落とす。 最初アレックスは、画面に出ている小さな変化に、気付くことができなかった。  そうしてる間にも、不審者達は確実に近づいている。 南館の不審者は間もなく連絡通路へと差し掛かり、北館の不審者はもう三階まで来ている。 「なんなんだよ、いったい……!」  アレックスは怒り、悲しみ、焦り、様々な感情が込み上げる。 このような襲撃を受けるのは、たしかこれで三度目。 その度にアレックスは、姿をくらます為に転校を繰り返した。 幸い、今までは特に大きな怪我等はしていないが、今度ばかりはそうはいかなさそうだ。 「ポン…」  ハンディーデバイスが再び鳴る。 「うるさい!」  怒鳴りながら、それに目を向ける。 「……え?」  その時初めてそれに気が付いた。 アレックスの現在位置から、西に向かって矢印が表示されているのを。
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