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「いいよ、好きなだけ見て。どうせ月曜日までの命だし……」
アレックスはそう言って肩をすくめ、少し大袈裟に嘆いてみせた。
「くすくす」と、小さな笑いがおこる。
そうしてアレックスの作製した、パラパラ漫画の上映会が開かれる。
「おお、すげえ!」
「やだー、神谷くん暇人?」
立ち上る歓声がさらに人を呼び、やがてアレックスの机の周りには最終的にクラスの約半数が集まった。
帰ってくる反応はまちまちではあったが、概ね好評な意見が集まる。
かといって、アレックスの作品の命が長らえられるわけではないのだが……
気を良くしたアレックスは、昼食を購入するため、やっと重い腰を上げる。
今から出ても、ろくな商品は残ってないだろうがしかたがない。
アレックスは使い古した鞄の中から、分厚い文庫本くらいのサイズの、黒いハンディーデバイスを取り出すと、友人に声をかけ、連れ立って教室を後にしようとする。
その時である。
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