訪れる災厄

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「ポン」という電子音を立て、電子ホワイトボードに小さな四角が映し出され、そこに一瞬描かれた「接続中…」という文字が消えたかと思うと、一メートル四方程のカラー画面が現れる。  そこには、「音声放送・校内非常放送」の文字が、真っ黒な画面に大きく黄色の文字で、二行に渡って表示されていた。  同時に、アレックスが手に持っているハンディーデバイスを含め、周囲にいる生徒、全てのそれに立体映像で文字が表示された。  ―――――――――――― 校内放送を確認して下さい。 ハンディーデバイスで校内放送を聞きますか?    [YES] [NO]  ―――――――――――― 「なにこれ?」  アレックス達は顔を見合わせる。  友人の一人が、困惑しながらも記憶を探り、返事を返した。 「これって……確かあれじゃない?ほら、非難訓練のときにあった……」  そういえばそうだ。  去年の火災訓練の時、こんな感じのデモを見たような気がする。  しかし、訓練の予定など聞いていないし、実際の火災ならば非常ベルが鳴るはずだ。
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