※第一章~旅立ち※

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「おはよう、ゼロ」   2階から降りて来るゼロに母親が言った。   「母さん、おはよう」   いつも朝は、起こされるまで寝ているゼロなのだが、今日はいつもと違って自分から起きて来た。   「ん?何処か具合悪いの?」   心配そうに母親がゼロに聞く。   「………」   うつむいたまま何も言わないゼロの考えを察したのか、それ以上何も言わなかった。   2人が沈黙してから数分ぐらい経っただろうか、先に沈黙を破ったのがゼロだった。   「昨日学校の先生に卒業してからの進路を聞かれたんだ…俺、クロニクル国の…」   「それは絶対ダメです」   ゼロの話しの途中で母親が強い口調で言った。
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