※第一章~旅立ち※

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「まだ何も言ってないだろ」   ゼロが少し反発した口調で言う。   「兵士に成りたいんでしょ」   母親は少し涙目になっている。           あれは5年前…   5ヵ国、全世界を納める権力争いが各国で勃発していた。   ゼロの父、ロゼフはクロニクル国の騎士団長をしていた。   だが戦局が悪化していた為、ロゼフは妻に、5歳のゼロを連れてスラム村に疎開するよう言ったのだった。   2人がスラム村に疎開してから間もなく、ロゼフ率いる騎士団が5ヵ国の中でも1番勢力のあるガルネシア国に攻め行った事を知るのであった。   それから数日後、ロゼフ率いる騎士団が戦死した報告が届いたのであった。   ロゼフの戦死後、1週間余りで争いが終わったのである。   世界の権力を握ったのは言うまでもなくガルネシア国だった。
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