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段ボールを片付け始めて
早30分
家具などは業者の人が
セッティングしてくれたから
後は荷物をしまうだけだった
ススス…
物音がしたのに気付いた美穂は後ろを振り返った
シーンとした部屋しかない…
美穂は段ボールがこすれた音だと思って
作業を再開した
「青いふふーん♪
白い雲ー♪
勇気をふふんっふ
ふんふん出そーお♪」
うろ覚えすぎる音楽を口ずさみ
ある程度片付いた頃には
陽も沈みかけていた
「晩ご飯は何時からだっけ?」
枝津子さんからもらった大きい封筒の中を探り
夕食の時間帯を見ると
7時からになっていた
たった今時を刻み始めた
時計の針は
5時35分をさす所だ
「まだ時間あるなぁ…
段ボールゴミ捨て場に出してこよーっと♪」
持てるだけ持って
寮の裏口付近にあるゴミ捨て場に往復した
と、どこからかしょう油のおいしそうな香が漂ってきた
「いい匂い~っっ」
お腹がなるのを我慢して部屋に戻っていった
ススス…
美穂がテレビを見ている時にその音はなった
さっきもあったのを頭の隅に浮かべながら
周りを見渡した
別に誰もいない
「…気のせいか!」
大好きな芸人が出てきたのもあって
その時は気にしなかった
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