部屋に…

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ピンポーン 「はーい!」 チャイムが鳴ったので 美穂は玄関に小走りした 「どちら様ですか?」 ドアを開けながら問いかけると ドッと陰気な空気が部屋に流れこんできた なっ何!? 恐る恐る顔を出してみると ガンッッ!!! 「へっ!?」 ドアを青白い手が掴んだ 「うわぁっ!!」 ビックリした美穂は後ずさり 尻餅をついてしまった いつからこれホラーになったの!? 私殺されるぅーー!!! そんな美穂のツッコミも虚しく お化け(?)はドアを開けて部屋に入ってきた 黒いワンピースを着て 耳の垂れたピンクのウサギを片手に 漆黒の艶やかな髪は 顔をほとんど隠していて 見開いた片目だけが ちらちら覗かせていた 「――…っ」 悲鳴にもならない美穂の声は 次の言葉に掻き消された 「…お迎えに……あがりました……」 あぁ… 私にはもうお迎えが来てしまったわ… 悠約束守れなくてゴメンね… 今までありがとう さようなら悠! さようなら私の人生!! 諦めた美穂は目を閉じた 連れてくならさっさと連れてけ!! 「おい!そんな登場の仕方したら 相手がビビるだろ!!」 美穂の背後から声がした 何故リビングから声が? 後ろを振り返ると 赤みがかった髪をした 少年が仁王立ちしていた … はああぁぁぁ!!?
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