香に包まれて

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制服を着終えた美穂と 萌、柚乃がカウンターに戻ると 香ばしい匂いが3人をつつんだ 「わぁ…いい匂いですね コーヒーですか??」 「よく紅茶と間違えませんでしたね」 カウンターにいた汰希さんがコーヒーを漉し機で漉しながら言った 「鼻だけはいいんですよ 私」 「関心しました それなら新作の味見を頼むこともできそうです」 新作の味見!? なんていい仕事なんだ! 幸せにふけっていると 「すんげー阿呆面してますよ 先輩」 橘君がほうきを持ちながら言った 阿呆ってアンタねぇ… 美穂は頬を膨らませていると ぶぅっ 「!!?」 頬を両側から手で押された その拍子に頬にたまってた空気が漏れる 「美穂先輩可愛い」 橘君からの意外な誉め言葉に びっくりした 「い、今“美穂”って言った??」 動揺して少しどもってしまった 「苗字のほうがよかったですか?」 「ううんっ そんなことない!! ありがとう!!」 笑顔を浮かべて 橘からほうきを取って 掃除を始めた ぽつん、と残された橘の肩に手が乗った 柚乃だ 「美穂さんは天然だよ」 「美穂さん可愛いですよね はつらつとしてて」 柚乃と萌ちゃんが交互に言った 「…」 元気にほうきをかける美穂を 3人は見ていた 「美穂さんは1日で人気者ですね」 汰希はマグカップを磨きながら小さく微笑んだ
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