懐かしいこの街

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それからしばらく 高校時代の話をした 悠は首席で入学して 剣道をずっと続けていたらしい 大会に何回も優勝してて 大学も剣道の推薦で入ったらしい やっぱ悠はすごいなぁ 私なんてテストあるごとに死にかけてたってのに 「お前は大学行かないのか?」 「うん バイト先もう見つけてあるし」 「よく先生が許したな」 いいえ?許してくれませんでしたよ? ―――回想モード――― ―――――… ―――… 『神無月さん 進路はどうするの?』 『バイトします!!』 『就職しないってこと?』 『はい!』 『将来なにになるつもりなの?』 『主婦です!』 『…はい?主婦?』 『はい 主婦です!』 『卒業してすぐ結婚する気!?』 『いやぁ それはわかんないですけど』 『せっ 生活は?』 『そのために毎日バイトして頑張ってました!』 『結婚するにしても 就職はしなきゃ!』 『いえ 主婦になるからいいんです!』 『だっ ダメよ!!もし結婚できなかったら…』 『心配しなくても大丈夫です!!』 『いや ダメよ!!』 『大丈夫ですって!!』 『ダメったらダメよ!!』 『大丈夫ですからぁ!!!!』 ―――… ―――――… ――回想モード終了―― あの後 先生が親呼んで お母さんが説得してたっけ… 「将来何になりたいんだ?」 「主婦!!」 「……は?」 「私は悠の奥さんになるってずっと決めてたんだから!」 悠が右手で頭を押さえた 顔が真っ赤だ 「よくそんな恥ずかしいことを大声で…」 「恥ずかしくないよ!悠の奥さんになるのは中学の頃からの夢なんだから」 「その夢を何回も口走るなっ!」 次を喋ろうとした私の口を悠が押さえた .
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