僕と君の87分

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「ネタバラシしたって面白い物語の価値は変わりません」 ――このツンデレめ!! ん? ツッコミが不適切だ。 ナノハがデレっとすることはほぼないから、デレを抜かすべきか? ――このツンツンめ!! 髪型がツンツンした人みたいだな……。 まぁ、ツンツンした女を好きになるとツッコミすら苦労するってことだ。 僕はナノハをたしなめるような返事を適当に返し、止まったままの窓の風景へと視線を移した。 ○○クリニックと大きく書かれたピンクの看板しか見えない一秒で飽きる風景を、僕は三秒程意味もなく凝視した。 電車はいつ出発するんだ……? ――ホイッスルもまだ鳴らない。
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