僕と君の87分

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隣に座るナノハにちらりと目をやると、僕の返した本を読んでいた。 僕は手持ち無沙汰を埋めようと携帯を取り出し、時間を確認する。 電車が出発するまで―― あと4分。 新着メールを知らせる表示が出ていたので、ついでにメールも見ておくか……あぁ、マキさんから愛のメールか……。 僕はメールにざっと目を通して、さっさと携帯を折りたたみ、カバンに戻した。 時刻確認とモバのマキさんから定期的に届くメールを見終えた僕は、結局、何をするにも落ち着かず、ただただぼんやりと過ごす。 「……ねぇ。貸した本、読まないの?」
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