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隣に座るナノハにちらりと目をやると、僕の返した本を読んでいた。
僕は手持ち無沙汰を埋めようと携帯を取り出し、時間を確認する。
電車が出発するまで――
あと4分。
新着メールを知らせる表示が出ていたので、ついでにメールも見ておくか……あぁ、マキさんから愛のメールか……。
僕はメールにざっと目を通して、さっさと携帯を折りたたみ、カバンに戻した。
時刻確認とモバのマキさんから定期的に届くメールを見終えた僕は、結局、何をするにも落ち着かず、ただただぼんやりと過ごす。
「……ねぇ。貸した本、読まないの?」
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