僕と君の87分

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黙りこくりながらも決して僕から視線を外さないナノハの眼力に、僕はヤバイくら緊張が高まり、次の言葉を出せなくなってしまった……。 どこのオトメちゃんだよ! たった二つのひらがな発音するのにこんなに緊張したか? あぁ! しまった!! 相手の気持ちに対して手探りの状態でその言葉を伝えるなんて至難の技、未だかつて使ったことないんだった――。 なんて未熟なんだ。 なんてヘタレなんだ。 自分で自分に悪態つく言葉なら、きっと今すぐ口に出来る。 そんなこと急に言い出したら、間違いなくナノハに、『 キチガイ!! 』と叫ばれ、そっぽ向かれるに決まってるから勿論、言わないけど。
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