気まぐれ逃避行

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イイ大学行って、 イイ会社就職して、 イイ男ゲットして、 シロガネーゼみたいな苦労のないセレブになる。 そんなママの押し付けにしかなってない願望、叶える価値なんて、 最初からどこにもない。 そんな簡単なこと、私は今更気付いて、怠惰になる。 惰性で今日を生きる私の願いはたった一つ…… ――こんな日常から逃げ出すこと。 ……バイバイ、パパ。 ……バイバイ、ママ。 ……バイバイ、オトート。 いってきますの代わりに、そう頭の中で呟いて、私は昨日と同じ左足から玄関を出た。  
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