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役所で母子手帳を受け取り、自宅へ帰ると、すぐにあのメモを探した。
引き出しの奥でシワを作っているメモを開き、携帯へと手を伸ばす。
このメモの番号は、いったい誰に繋がるのだろうか。
電話をすることに躊躇しながらも、ダイヤルキーを一つ一つ丁寧に押す。
自分の書いたデタラメで何処にも繋がらないんじゃないかと、僅かな期待がよぎる。
そして、泥酔したあの夜は、実はアキラに抱かれたのではないかとも思った。
そう思うと、電話をかける事に戸惑うことなく、通話ボタンを押すことができた。
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