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「でも、こっちにはゲーム機ないよ。ビリビリできないじゃん。」
さとなは言った。
「うーん……」
ほんと分かんねぇなぁ、
こんな時はネット仲間に…………パソコンないんだ。
なんかヒントがあればなぁ
「うるる達は、いつ頃どうやってこの洋館に来たんだ?」
長谷さんが話しはじめた。
「曖昧なんですが、みんなお腹の中にいるんです。」
「腹?」
はい、と長谷さんが頷いた。みんな同じ記憶らしい。
「お腹が脈をうち、外から声が聞こえるんです。元気?とか、幼い男の子の声。その時………血が…………」
長谷さんがカタカタ震えだした、共鳴するようにほかのみんなも顔色を悪くした。
俺も顔色を悪くしたその一人だ。
俺が幼いころ、まだ親も元気で子供ができたんだ。詳しくは分からないけど、だけど……だけど………
目の前にはカーキ色のズボンをはいた、くろずくめの男。子供の直感で離婚した父だと思った。
「やめてっ!この子達はなにもわるくないっ!」
母の泣く声、母は俺の前に立った。
そして、男はナイフを母のお腹に突き立てたんだ。
むざんにも目の前で倒れる母。俺をかばった結果がこれなんだ……
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