壱:---運命(サダメ)---
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寝殿へ行くと、父である藤原兼平がいた。 「お早う薫。 丁度良いところに来たな」 「お早うごさいますお父様。 何かあったのですか?」 兼平は一通の文を薫に渡した。 受け取った文からは良い焚き物の香がした。 殿上人からの文だ。
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