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「燃えろ!フレア」
「轟け!サンダー」
二人の魔法使いが放った魔法は互いにその効果を打ち消し合う。
魔法使いたちはそれを見て不敵に笑い、再び魔法をぶつけ合う。
ここではそんな光景がいくつも見られる。
というのも、ここはラード王国の魔法学園で只今生徒たちは模擬戦の最中だからだ。
それぞれが互いを高め合い、切磋琢磨しているその中に、一際目を引く存在がいる。
名はアルフレッド。小等部からのエスカレーター式のこの学園にあって、中等部の二学年…さらに夏休み開けという中途半端な時期に転入してきた男。
転入してから三年たった現在、彼は天才の名を欲しいがままにしていた。
「灰に帰せ、炎槍(ファイア)」
「ちょっ!アルっ!それはやりす――ぎゃー!!」
アルフレッドの放った魔法は模擬戦相手の男に命中。
結果は一撃KO。周囲の生徒たちも呆気にとられたように模擬戦をやめ、アルフレッドに注目している。
「ふむ、上級魔法になると流石に短縮化は難しいな、威力が半分にも満たん」
不満気に頭をかきむしる彼。あれでかよ…と、周囲の生徒たちは呆れたようにため息を漏らす。最早同級生ではないと言った感じだろう。
魔力の量、コントロール、制度。その他全てに置いて彼は頭一つ抜けている。
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