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「俺も抵抗したよ。したけど、何倍にも返されて、それが嫌で、結局やるんだ……」
ラークの目から涙は零れない。
「死にたくないから殺して。痛いのが嫌だからなぶって……。
嫌だった。やりたくなかった。
でもやらないと、俺が……」
「よく頑張ったな」
ガルクは心の底からそう思った。
ラークのした事は、決して許される事ではない。だが、ガルクはその罪を自覚して、黙ってずっと背負っている事を知っていた。だから『よく頑張った』と心の底から思った。
「ラーク。お前の話を聞いた俺も、共犯だ。解るか?」
ラークは少しポカンと見上げた後、首を横に振った。
「お前が殺した人間に、何の罪悪感も感じないからだ。
お前が生きる為に殺したってんなら、それだけだ。
良いか? お前がどう思ってようが、俺はお前と相棒組んで、感謝してるんだよ。ホントだぞ?」
言葉を失った様に、放心する様にラークはガルクを見上げていた。ガルクはラークの目を見て言った。
「ラーク、お前が何やってたかなんて関係ないんだ。俺の知ってるお前は、今、ここにいる、お前だけだ」
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