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紅魔館の廊下では、メイド達がせわしなく動いていた。しかし、ただのメイドではない。
咲夜を除く全てのメイドは『妖精』なのである。
まあ妖精と言っても幻想郷では珍しいものではなく、むしろ割と身近な存在なのだ。
しかも質より数の信念の下で集められた妖精達なので、殆ど役に立っていない。
それをうまく束ねるのがメイド長である咲夜なのだが、彼女の指示も守れない妖精がいるぐらいだ。
しかし今回の咲夜の指示には、いかに無能な妖精メイドといえども、すぐに理解することができた。
『夜までに酒の準備。夜になれば各自休んでよし』
ここまで単純な仕事があるだろうか。
ともあれ、その指示を遂行するためメイド達は動き回っており、館中がにわかに騒がしくなってきていたのだが―――
二カ所、そんな騒音が届かない場所があった。
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