巫女と神社と百鬼夜行

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夜――― 太陽が引っ込み、お嬢様も外で活動できる時間。 俺たちはお嬢様に引き連れられ、ある神社の前に立っていた。 「ふん。相変わらず寂れて見えるわね。参拝に来る人間はいるのかしら?」 今からその神社に立ち入るというのにお嬢様はそんなことをおっしゃる。 確かに月明かりを浴びた神社は少々不気味に見えるが。 「ほらあなたたち、ぼーっと突っ立ってないでさっさとシートをひきなさい」 ぱんぱんと手を鳴らす咲夜に指示され、俺と透は苦笑いしながらシートを広げる。 ちなみに今回ここに来ているのは、レミリアお嬢様、咲夜、透、俺、そして少数の妖精メイドだ。 フラン様はあのままぐっすりと寝付いてしまい、何度起こしても起きられなかったので仕方なく。 パチュリー様はなんでも『面倒だから』との理由で拒否なされた。どの辺が面倒なのか俺にはわからない。 さておき、シートもひき終え、持ってきた弁当を開き、酒も注いで、いよいよ宴の開始となったのだが。 「人の敷地で何してる」 一人の声によってそれは遮られた。
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