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「ねーねー楢葵、今日は飲み比べしないの?」
食っては飲み食っては飲みと繰り返していた萃香がこちらを向く。
「今日はやめとく。もっと数がいて、それこそ朝までやるような大宴会だったら羽目外すけどな。あいにくそこまで長居しないんだよ」
「ありゃ、そりゃ残念。ならせめて温泉だけでも入っていけば?」
温泉?ああ、地下のいざこざで神社の裏に湧き出た温泉か。何があったかは知らんが。
「じゃ、お言葉に甘えて後で入るよ」
紅魔館の浴場も大分広いが、やはり温泉の方がやっぱりね……こう……わくわくしね?
「そういえば、最近神社に新しい人間が越してきたんだって?」
お嬢様の皿に弁当の具を分けながら、咲夜はそろそろできあがり始めた霊夢に聞いた。
「ええ、現世から来たやつよ」
「今いないの?」
「出張中」
「出張中?」
「出張中」
出張って……出張するほど遠い場所幻想郷にあったか?
「人里にね、ちょっと稼ぎに出してるの。運が良ければ帰ってくるかもね」
稼ぎっておいおい。巫女の言う台詞じゃないな。
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