巫女と神社と百鬼夜行

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「でもね、おかしなこともあるんだよ?」 「おかしなこと?」 意味深なことを言う萃香に、反射的に聞き返してしまう。 「さっき私、最近は興味をそそる事件も何もないって言ったでしょ?」 「言ったな」 「そこなんだよ。異変の予丁や事件が起きたわけでもない、妖怪が何か動きを見せたわけでもない。 でもね……何かこう、胸にざわざわくるんだよ。いつも異変が起こる前に感じる感覚が」 それはつまり。 「もうすぐ異変が起きるってことか?」 「どうだろうね。嫌な胸騒ぎはするけど、まだ何一つ幻想郷に変化がないからね」 「はぁ……何か起きるまで待つしかないってか」 待つのは嫌いなんだけどな。待たせるのも嫌いだが。 ともあれ。 「それで、もし異変が起こったらお前はどうするんだ?」 萃香は「うーん」と唸った後に、こう答えた。 「とりあえずは見て見ぬふりかな。自分に害があれば私も動くかもしれないけど、むやみに干渉したら私の次の機会に邪魔されちゃうからね。のんびり楽しむさ」 「また異変起こす気かよっ」 そう。 萃香もまたお嬢様と同じく、過去に異変を起こした身だ。
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