巫女と神社と百鬼夜行

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「…………えぇー……」 飛び込んだ茂みの先にいたのは。 「ミャア」 猫だった。しかも黒猫。 「まぎらわしいことを……」 とりあえず猫の頭をわしゃわしゃと撫でてやる。 暗くて気付かなかったが、猫は黒いリボンを付けている。 となると、誰かに飼われているのか、はたまた化け猫か。どちらにせよ野良でわなさそうだ。 「ほら、お前もこんな時間にこんな所いたら、妖怪に食われちまうぞー」 俺も妖怪だけどねと自分に自分でツッコミを入れながら、両手を上げてガオーっと威嚇してみる。 「……あなた何してるの?」 あれ、背後からなんかすごく冷たい声が聞こえたような。 正直こんなことしてる所を見られるとは思っておらず、驚き半分羞恥半分といった具合に嫌な汗がぶわっと噴き出す。 ギギギ、という音が聞こえそうな程ゆっくり振り返ると、そこには限りなく無表情な咲夜がいた。 よりによって身内かよ……! 「あなたが何をしようが勝手だけど……さすがに猫相手にそれは……引くわ」 ぐふぅ。 言葉のナイフで胸をえぐられ、何て言うか形容しずらい痛みが俺を襲った。 「しかも猫にリボンまで付けて……どんなプレイよ」 「待てやオイ」 プレイて、いやプレイて。
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