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「バカでしょあなた」
事情を説明したらこれだよ。
「だいたい神社の領地で、しかもあなたなんかを狙うような輩がいるはずないでしょう」
「本当のことなだけにショックだ」
黒猫の喉辺りごろごろ摩ってやりながら、咲夜の毒舌を受け流す。
「でもよ、自分の家でもないのに不法侵入者を捕縛しようとした心意気は立派だろ?」
「ああ、それもそうね。じゃあ私もその心意気を見習って神社の鳥居を見張っておくから、あなたは神社周辺及び森全域をお願いね」
「あれ?俺の担当区域異様に広くね?」
などとたわいのない会話をしながら、俺と咲夜はお嬢様達のいる表へと戻って行った。
黒猫は、いつの間にか忽然と姿を消していた。
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