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表に戻ると、すでにみんな酔い潰れた後だった。生存者は透と咲夜と俺だけか。ちなみに萃香は反則なので数には入れない。入れてなるものか。
とまあこんな状況じゃあ続けようにも無理なのではい撤収ーと片付けようとしたのだが、それは早々に中止となった。
コツコツと神社の階段を登る音が聞こえたからだ。
俺と透と咲夜は顔を見合わせる。それもそのはず、真昼ですら人が滅多に訪れないこの神社を、わざわざ妖怪に襲われるような時間に訪れるやつなんてまずいないからだ。俺等だけど。
「こんな時間に参拝客かしら?怪しいわね」
「前例に俺達が当て嵌まってるのですが」
「どう考えても不審者だろw」
あれやこれやと意見を交わすが、その間にも足音は近づいていて、結論が出る前に足音が階段を登り切ってしまった。
登って来たやつの顔は陰になって見えないが、体型的には男だとわかる。
「こんばんは誰かさん。こんな夜遅くの神社に何の用かしら?」
咲夜が警戒心たっぷりな声で聞く。普通の人間なら震え上がるぞこれ。
しかし男は怯むことなく、逆に咲夜に聞き返した。
「あれ―――咲夜さん?」
え?
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