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「で、いったい何の用ですか?生憎休む時間も僅かしか取れないほど切羽詰まっているのですが」
「それは間の悪い時に来てしまったね。いやなに、昨晩あの博麗神社で偶然楢葵君を発見してね。一応キミに知らせに来ただけさ」
「……詳しく話してください」
「うん。どうやら昨晩の彼は―――いや彼らは宴会目的で神社に訪れていたようだ」
「ほう、紅魔の吸血鬼もいたのですか」
「その従者とメイド達もね。博麗の巫女と鬼も宴会に出席していたよ」
「そりゃするでしょうに」
「宴会が始まってから彼はしばらく飲んでいたけど、巫女か鬼に勧められたのか温泉に入ったようだ」
「温泉に向かった『ようだ』?入浴中は見ていないのですか?」
「……彼一人だけなら問題なかったのだけれど、何故か鬼も一緒に浸かっていてね。ボクには少々刺激が強すぎたのさ」
「そこだけ子供っぽいのですね」
「……えーっと、話を戻すよ。温泉から上がった彼を再び発見したのだけど、途中ボクの追跡がばれてしまったんだ」
「……は?ばれたってどういうことですか!?」
「気配は消していたのだけどね、何でばれたかわからないけど、急に飛び付かれるは撫でられるは摩られるはで、大変だったんだよ?」
「後半が非常にいかがわしい言葉ばかりなのですが……成る程、その時からあなたは猫の姿だったのですね。ばれたにはばれたけど正体までは欺けた、と」
「察しが良くて助かるよ。正直あの時は猫の姿だったから助かったけど、代わりに撫でられたり摩られた時の快感がすごくてね。あまり覚えていないんだ」
「あなたにその気がなくとも、そういうことはあまり言わない方がいいです。いやらしい話にしか聞こえません」
「……そうかな?」
「やはり自覚ナシでしたか……。あなたの容姿と相俟ってかなりまずい内容でしたが」
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