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「そのあとはあの従者が来てね、詮索される前に急いで逃げたよ」
「懸命な判断ですね。彼女はなかなかの切れ者ですから。で、報告は以上ですか?」
「残念ながらこれで終わりさ。何か役に立つ情報はあったかい?」
「……正直に言いますと、近頃彼の情報がなかったので感謝しています。悔しいですが」
「それは僥倖。新しい情報を手に入れたらまた来るとしよう」
「はいはい、次はその姿で来てくださいね」
「善処するよ」
「ただ今帰りましたーって……なんかやつれてますね師匠」
「いやぁ……ひっじょーに面倒な方がいらしてましてね……」
「お客さんがいらしてたんですか?」
「もう帰りましたけどね。会話だけで僕をこんなに疲弊させるほどの強者ですよ」
「うっわ……そんな方存在したんですか」
「随分前からの付き合いなのですが、なかなか慣れないものです」
「何と言うか、凄いですねその方」
「ホント……土地神にまともな方はいないのですかねぇ……」
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