串と白沢と土地神様

8/11
前へ
/106ページ
次へ
涙腺という名のダムが決壊寸前な慧音の前に立つとっちー。背が低いから座っている慧音と同じ目線だ。 「……慧音さん」 さん付けですか。いや容姿的には正しいけど、実際とっちーのほうが遥かに年食ってるから違和感がなぁ。 そんなこと本人に言ったら確実に殺られるが。 「慧音さん、顔を上げてください」 「……?」 怖ず怖ずと顔を上げる慧音。目は涙でうっすらと赤に染まっていた。さらなる罪悪感に刈られる俺。 そんな慧音にとっちーは。 「……へ?」 「え、えっ?」 倒れ込むように、慧音に抱き着いた。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!

332人が本棚に入れています
本棚に追加