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医師と行った検査では百発百中正解を言い当てたらしいが、おかげでますます色の認識が曖昧になってしまった気がする。
この症状は、医者が考えているよりも深刻なのだ。
それから僕はかなり落ち込んでしまったが、あの医師が言ったとおり、楽に構えることにした。
第一、気をつけていれば他人に悟られることはない。
人に話を合わせておけば問題はないのだ。
鼠色に見えていたものが黄色だと分かれば、僕の中で鼠色=黄色である、という図式を成立させることができる。
生活にそれほど支障は来たさないのではないかと思えてきたのだ。
それからの僕の行動は普段と変わらなくなった。
相変わらず、局面で色を間違え、失笑をかうことも少なくないが、冗談の範囲内に収める術も身に付きつつある。
しかし、症状は潜在的に著しく悪化していたらしい……
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