~序章~

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 何度腹の虫が泣いたことだろう。ここしばらく何も口にしていなかった大地の体力は驚くほど低下していた。腹の虫が泣くのは当たり前のこと、時には空腹のあまり吐いたりした。 「あぁ、腹減ったなぁ。もう3日間も何も食べて無いからな」  大地は空腹ながらも3日前にはぐれた友人の中村健二と工藤麻美のことを考えていた。二人とも高校の同級生で、二十七歳になる今でも付き合いがある。そんな二人がとても心配だった。 「何か食えるものは無いかなぁ……。今まで野菜嫌いだから我慢してたけど、もう無理!」  そう叫ぶと、手当たり次第に草や木の実を物色していく。そして、少し変わった形のした木の実を見つけた。大地は迷わずにかぶりついた。 「う、うめぇー! これって食べれるキノコだったのか……」  大地が手にとったのは、何やらキノコと形状が似ているものだった。  その他にも、いろいろと物色していき、味の良かったものや腹の足しになりそうな物をかき集めひたすらと食べ続けた。そう、それが催眠効果をもたらすキノコだとも知らずに。
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