プロローグ

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ケータイなんてなかった頃の話だ。 僕はあの子に手紙を書いた。 高校3年のイヴの夜、 僕ははじめて、 そう、 生まれてはじめて ラブレターを書いたんだ。 知ってる? 「誰もがサンタ、誰かのサンタ」 ってコトバを。 あの夜、 サンタくんは クマのぬいぐるみに ラブレターを仕込ませて、 サンタちゃんのもとへ 飛んでった。 まあ、 飛んでったと言っても、 トナカイのソリに乗って行くほど 夢見る子どもじゃなかったし、 車で行くほど 夢のない大人じゃなかったから、 だから、 歩いて行ったんだ。 真夜中の街を、 サンタちゃんの住む 「陸の孤島 ムサムラ」まで。image=445972798.jpg
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