消えた心

2/5
前へ
/15ページ
次へ
あれから2年が経った。 「わっ!?」 俺は書簡やら竹簡やらを抱えて宮殿を歩いていると、殿とぶつかった。 「あ、すみません。殿」 「ああ、子明か。気にしていない」 そう言って俺が来た道を歩いて行った殿の瞳に、俺は映ってなかった。 殿は・・・笑わなくなった。 あんなによく笑う方だったのに・・・ 笑わなくなったというより、感情が無くなったと言った方が正しいのかもしれない。 公瑾殿は、殿の心を一緒に連れて行ってしまったのかもしれない・・・ 駄目だ! やっぱり、このままでは駄目だ!! 俺は殿の後を追いかけた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加