守りたい

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伯符様の視線が、血を流している私の腹部を捉える。 「動けないのか?だったらすぐ・・・」 「来るな!!」 近づいて来る伯符様を怒鳴りつける。 「ここは危険です。早く皆の所に戻って下さい」 貴方を安心させられるよう、私は笑えていますか? 「駄目だ!お前を連れ出すまで・・・」 「伯符様・・・」 貴方はここで死んでは駄目なんですよ。 貴方と私には夢がある。 「天下取って下さいね。幼い頃からの、私達の夢なんですから」 「何・・・言って・・・」 「約束ですよ・・・」 ガタンッ 炎に包まれた柱が崩れる。 この船ももうじき沈むだろう。 「分かった・・・分かったから行こう」 それに気づいた伯符様が焦ったように近づき、手を伸ばす。 私も手を伸ばし・・・
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