守りたかった

3/5
前へ
/15ページ
次へ
「だってお前は来ないんだろ!?」 そう叫んで振り返ると、そこにはアイツがいた。 さっきと変わらない姿・・・ だけど分かる。 公瑾はもう生きてないって・・・ 『先ほどの約束、もう違えるのですか?』 「けど・・・お前がいないと・・・」 みっともなく大泣きしている俺・・・ しかし、そんな事かまっていられない。 『いますよ』 そう言って、公瑾は俺を抱き締めた。 触れられた感触もしないし、体温も感じられない。 『共に歩む事は、もう出来ないけど・・・ずっと側にいます』 それが本当なら、どれだけ幸せな事だろう。 『だから、泣かないで・・・もう一人の私・・・」 そうだ。 俺は公瑾で・・・ 『もう一人の貴方は、常に側にいますから』 公瑾は俺・・・ ずっと二人で一人だったんだ。 それはこれからも変わらない。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加