いつもと違う朝

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「彼の名前は青山 正一(あおやま まさかず) 殺されたビル、青山商事の専務でした。」 場所は移り、ここは県警本部の会議室 まだ、連続でもなくただの異常な殺しとして扱われているため捜査班などは無く。 渡辺、斉藤を含む系3組6人の捜査官が事件の捜査に当たる。 「青山商事?被害者と同じか」 「はい、被害者 青山は青山商事の会長 青山 一(あおやま はじめ)の孫にあたります」 捜査官達が情報を自分の手帳に書き込んでいく。 報告を行っているのは斉藤だ。 「死亡推定時刻は昨夜の0時~4時、内臓が全て無くなっていたため、死後硬直の進み具合からの判断だそうです」 「その無くなった中身については、未だ発見されていません、また凶器もまだですが・・・。」 「どうした?続けろ。」 口ごもる斉藤に渡辺が喝を入れる 「はい・・・。 腹を裂いた凶器は鋭利な刃物、傷口から見て包丁ほどの大きさだと考えられます」 「死因は・・・。腹を裂き、内臓を取り出したことで死んだと・・・。恐らくショック死か臓器の損傷か・・・。はっきりとはわかりません」 その報告を受け、捜査官がみな顔を歪めて押し黙る。 「怨恨・・・それもとんでもなくデカイ恨みか・・・、それとも狂ってるのか・・・。」 渡辺がポツリと言葉を吐いた。 押し黙り、不穏な空気が満ち始めた捜査官たちに渡辺が言う 「聞き込みから始めるぞ。怨恨の殺しの線に絞って進めろ」 「0時~4時までの周辺の目撃情報と被害者の交友関係を徹底的に洗え!」 「「はい!!」」 捜査官達が一斉に飛び出すなか、渡辺と斉藤だけは会議室に残る 「ナベさん、どう思います?今回の事件」 斉藤がいつになく真剣な顔で聞く 「どうってなんだ?」 ぶっきらぼうに答えたが、斉藤の言いたいこともわかる ここまでの殺し方、いったい被害者に何の恨みを持っていたのだろう。 「自分は被害者の過去も調べてみます。」 「奇遇だな、俺もそっちが気になってた」 渡辺と斉藤も会議室を出た。
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