悲しき差別

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雪花「…寝ちゃったね。」 雪蛍「…仕方ないだろう。 何十、何百と生きている今の今まで、気を針積めて生活していたのだから。 全く、何十年何百年と待たせればすむのやら。」 雪花「あぁ、そっか。 本当。それじゃ、人になっても生きているうちに告げられないじゃない。」 二人は溜め息をはいた。 特に雪蛍は、心が読める故、複雑だったのだ。 雪花「…にしても、外国の差別も凄いわね。」 雪蛍「全くだ。 人を色で決めたり、見た目で決めるのは言語道断だ。」 またまた深い溜め息をはいた。 月夜に毛布をかけながらなおも呟く。 雪蛍「…みんな人には変わりはないのだが…。 物として扱われているというのも聞き逃せないな。」 全く。とまた溜め息をはいた。 雪蛍「…はぁ。 なぜこうも人同士が傷つけあわねばならぬのだ…。」 雪花「…姉さん。」 雪蛍「…なんだ?」 雪花「姉さんだって、苦しいときは今みたいに愚痴をはいてよ。 姉さんはいつも抱え込むから。」 誰かさんみたいに。とつけ加えると、ハッとなった。 雪蛍「…僕も抱え込んでるか?」 雪花「…姉さん気づかなかったんだ。 ずっと抱え込んでるよ。」 どうやら、まともなのは雪花だけらしい。
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