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町へ…
そして、長い1日が終わった。
雪蛍「…明日…町に行く。
町へ行くと修行という修行はできないだろうが、少しでもはやく怨念を成仏させねばならん。」
雪花「…いいよ。
私はこの心を大切にしながら、仕事したりするから。
一緒の仕事だと楽だから、3人とも同じ職業にしよう?」
雪蛍「…ああ。
そうだな。
その方がすぐに動ける。」
月夜「……。」
雪花「あら、起きたの…?」
月夜「…(…なにか感じる…。
この感じは、まだ小さい怨念の感じだ…。)」
雪花「…無視か。コラ。」
雪蛍「…なにか感じたか…?」
月夜はキョロキョロと辺りを見回した。
月夜「…!(あそこか。)」
ふと、懐からクナイをだし、月夜は封印の印を小声で唱え、クナイにおさめた。
それに気づいた怨念は、逃げようとしていたが、今まで感じたことのない気が、月夜の回りを囲み、怨念を見据えると、怨念は金縛り状態に陥った。
雪花「…(すごい気…。
こんな技もあったなんて!)」
雪蛍「…(外国の怨念はこの国の怨念よりも気が強いと聞いていたが…。
それを上回るとは…。
月夜…。
お主は一体…。)」
月夜「…怨念。
私はあなた達を責めるつもりはない。
でも怨念よ…。
怨むほどの念があるのならば…。
なぜ仲間を助けてあげない…?
その念で今生きている仲間…
苦しんでいる仲間を助けてあげないで…
なぜ怨みに念を捧げた…?」
淡々と静かに、そして金縛り状態のまま、話した。
怨念「…すべて奪われた。
韓国人だからと…。
俺は嫁と子供1人いる…。
…日本が強制的に俺を日本に連れてきた…。
嫁や子供から引き離され、日本に連れてこられた。
強制的に連れてきたくせに、日本人は俺らを差別した…。
変なあだ名をつけられたり…
バカにされた…。」
月夜「…そうか。
嫁や子供は…?」
怨念「…死んでから行ってみたら…
自殺していた。
…俺が働いて、飯を食わしていたから…
嫁は家事と育児、そして働くことが、とても大変だったのだろう。」
月夜「…そうか…。
…その家族の名前は…?」
怨念「…金 李依
金 楓臾…。」
月夜「…そうですか…。
ではずっと辛い思いをしていたあなたに、最後に家族の霊を呼びます。
ただし、怨念となった以上、極楽に行けるかどうかは、わかりません。
ですが、あなたの家族と会わせることは、容易です。」
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