町へ…

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月夜は、先程のクナイの印を解除し、もうひとつのクナイをだし、2つのクナイに違う印を唱えながら話した。 怨念「…ありがとうございます。 …日本にも優しい人はいたのですね…。」 月夜は顔をあげ、にこりと笑って、いった。 月夜「はい。 しかし人が作り出した差別は、一生消えることはない。 と私は思っています。 人が人であり続けるには… 優しさだけでは成り立たないし、怒ってるだけでも成り立たない…。 人が人であるには、同じ人の気持ちや、悲しみをわかってあげることでもある。」 ふと雪花と雪蛍の方を見て言った。 雪蛍「…月夜…。」 月夜「私も…雪蛍… この方に会うまで、ずっと差別されてました。 人が人であることをこの方がすべて教えてくれました。」 にこりと笑って言った。 怨念「…ありがとうございます。 俺は… 嬉しいです。」 月夜「…あなたの家族も… あなたにはやく会いたいみたいですよ…?」 そうにこりと笑いながら、同時に2つのクナイを地面に落とした。 地面に刺さった瞬間に、一瞬にして輪郭が象(かたど)られ、2人の人が現れた。 嫁「…あなた…。 久しぶりね…。 辛かったでしょう?」 子「…お父さん…。 会いたかった…。」 2人は涙を流し、走って父の元へ駆けて行った。 雪蛍「…クス…。 月夜、お主、粋な働きをするではないか。 僕も、見習わなければな。」 雪花「…さすが気のスペシャリスト。 半端じゃないね。」 月夜「…私には家族というものがよくわからない。 だからこそ、他人に幸せになって欲しいんです。」 にこりと優しく微笑んだ。 それにつられ雪花と雪蛍も優しく微笑んだ。
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